クリッカーとは?
プラスチックで出来た手の平に収まる小さな道具です。
プラスチックの中にブリキ板が入っていて親指で押すと『カチッ!』という音がなります。
クリッカートレーニングとは?
クリッカートレーニングはクリッカーの『カチッ!』という音と大好きなトリーツ(大好物)を使って犬に行動を教えていきます。
クリッカーを1度ならしトリーツを与えます。
この行動を繰り返し行うと、犬はクリッカーの音とトリーツを結びつけて考えるようになります。
これは『パブロフの犬』の実験でも有名な【古典的条件付け】というものです。
クリッカーの音と大好きなトリーツが連想できるようになった犬はクリッカーの音がなるのが楽しくなります。
そして、どうやったらクリッカーの音がなるのかな~?というように考えるようになり、犬にとって、そして飼い主である人間にとっても楽しいゲームになっていきます。
どのように行動を教えるのか?
動物はいいことが起こるとその行動を繰り返します。専門的な言葉で言うと【正の強化】と言います。
正の強化とは、『ある行動に対して何らかの刺激(いいこと)があると、その行動が繰り返される(回数の増加)』ことです。
例えば、オスワリをしたらおやつをもらえた→オスワリをする回数が増えたというようなことです。
クリッカートレーニングはこの【正の強化】を使います。
クリッカーを使ってオスワリをおしえる
偶然でも①おしりが地面についたら②『カチッ!』(クリッカー)③トリーツ
この順に何度か繰り返します。犬が偶然座ったのであれば、何度かこの行動を繰り返すうちに、座ればクリッカーがなるということを理解し、座るという行動が増えるようになります。
このように自発的な学習を【オペラント条件付け】といい、クリッカートレーニングはこのような方法で犬に行動を教えていきます。
クリッカーの音は犬に《good!》《そうだよ!》《それだよ!》ということをわかり易く伝えることができます。
よく、声で褒めることとどう違うの?と聞かれることがあります。
声で褒めることで行動を教えることも可能ですが、クリッカーは生活で聞きなれない音であること、いつも同じ音であること、瞬間的な音を出すことができ、タイミングよく使えるということなどの要素から犬にとてもわかり易く効果的に教えることができます。
クリッカートレーニングはいいことを伸ばすトレーニング
強制的なトレーニングとは違い、犬が自発的に起こす行動を伸ばすトレーニングなので、犬もそして人もゲーム感覚で楽しみながらトレーニングすることができます。
クリッカートレーニングの手法は元々海洋生物のトレーニングに用いられていました。
水の中を自由に泳ぎ回るイルカたちは、いたずらだってするだろうし、いろんな個性があると思うのですが体罰や力づくで強制することが不可能です。しかし、いいことを強化するトレーニングのみで、とても素晴らしいショーを私たちに見せてくれます
私はこの、動物を罰することなくいいことを伸ばしてあげるクリッカートレーニングが大好きです。
クリッカートレーニングに対する想い
現在、欧米のドッグスクールでは7割以上がクリッカートレーニングを行っており、とてもメジャーなトレーニング手法になっています。
最近では日本でもクリッカートレーニングのできるスクールが増えてきています!とっても嬉しいことです。私がイギリスでクリッカートレーニングを学んだ10数年前には日本での知名度はほとんどありませんでした。
この技術をたくさんの人にお伝えして、愛犬とご家族の幸せな関係を気づくお手伝いをさせて頂ければ幸いです。
エメドッグトレーニングスクール
代表 福永 悦子